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仕事のできないやつ

過去、『CD1枚1億円』という記事の中で、システムエンジニアという仕事を、自嘲的に、ネガティブに書きなぐった。
今思うに、当時、僕は、システムエンジニア(SE)という人間が陥りやすいトラップにひっかかっていたのではないか。


今の、僕の結論は、こうだ。
僕は、システムエンジニアである。
コンピュータシステムエンジニアではない。


すみません、何を言っているのか、分からないですよね。
以下、ぴんときた人だけ、先へお進みください。
また、刺激的な内容ですので、先を読んで「いらいら」とくるかもしれません。
ご承知ください。


僕の職場は、とあるSIベンダーだ。
SI(システムインテグレーション)ベンダーとは、コンピュータのハードウェアからソフトウェア、そこに組み込むプログラム、ネットワーク設備、その運用までを、トータルで販売する会社のことを言う。
顧客企業の業務形態を調査し、どのようなシステムがあると役に立つのか調査する。
それを動かすためには、どのくらいの大きさのコンピュータが何台必要か、運用するのにどのくらいの部屋の広さと人員が必要か、ということも調査対象に入る。
売り込みに成功したら、ハードウェアの調達、ミドルウェアの組み込み、プログラム開発、導入、運用支援など、いろんなことを考えながら、また論理ピラミッド状に設計、試験を行いながら、最終形を目指す。

僕は、その中で、ソフトウェアのプログラマーとしてスタートし、ここ最近は、小~中規模案件のマネージメントをやらせてもらっている。


ここで、どんな何件でも、必ず、バカが3人、登場する。
僕も含めたら、4人だな。

1.「IT化で業務を効率化しろ」との社命で、いやいや担当となる客
2.ネットワークとハードウェアを、ソフトウェアから切り離したがるインフラ屋
3.きちんと動かないプログラムを見せて、「これは仕様です」と言い張るプログラマー
4.それをまとめきれなくて、鬱病でダウンするマネージャ

4番は、僕のことだ。


1番。
IT化というのは、もちろんそれで新しい業務を掘り起こす意味もあるのだろうけれど、大半の場合は、今ある業務の効率化という目的がある。
この、「業務」というのが、本来のシステムの意味するところだ。

ある会社が、こんな業務をしていたとしよう。
人が紙に伝票を書いて、それにしたがって部品を手紙で発注し、来た部品を組み立て、顧客台帳を見ながらダイレクトメールで売り込む。

これ、立派にシステムとして成立している業務形態だ。

このシステムを、そのままIT化してみよう。
人がコンピュータに伝票を打ち込み、それを印刷して部品を郵送発注し、来た部品を組み立て、コンピュータの顧客台帳からダイレクトメールを打ち出し、それを郵送する。

誰が考えても、失敗例だ。
コンピュータ入れる前に、受発注を電話でしろよ。


でも、こんなことしか出来ない客が、意外と多い。
本当に、これに似たようなことを、日本の企業様はやっていらっしゃるんですよ。IT化の名の下に。

で、そんな客を育てているのが、我らがSIベンダーである。
乱暴な話、楽して儲かればよいのだ。
客に言われたとおりにコンピュータを入れ、ひととおり動くようにする。
それで、客も一応満足するし、SIベンダーも儲かる。

そして、「顧客台帳からダイレクトメールを打ち出すことにより、住所間違いによる損失、クレーム件数が大幅に減った」と、高らかに効果を宣伝する。
実際には、コンピュータを動かすための光熱費や、プリンターのインク代のほうが高いにもかかわらず。
「まず、電話化すべきではないですか?」などと、誰も言わないのだ。
面倒だし、儲からないから。

特に性質の悪いのが、2番、3番のようなバカ。
彼らは、「コンピュータシステムエンジニア」ですらない。

そういう状況である以上、個々のSEたちは、自分の役割に特化した、専門性が求められる。
ハードウェア屋は、自分の製品に問題が無いことを主張するために。ソフトウェア屋は、自分の作ったプログラムが動かないのは、自分のプログラムが悪いのではなく客の指示が悪いことを主張するために。
もちろん、後の運用のことなんて考えない。
運用できないシステムを作って、悦に入る。完全自己満足の世界。


それって、「システム」ではないよね。
ためしに、「システム」を辞書で引いてみよう。
系統、組織網、機構、といった言葉が出てくる。
つまり、ハードウェアとソフトウェアの「つながり」、ソフトウェアと客の「つながり」、客と業務の「つながり」、業務と商売の「つながり」、これが、「システム」なのだ。
これをつなぐものは、電話だったり、手紙だったり、紙とペンだったり、キーボードとマウスだったりする。


で、最初の言葉に戻る。
僕は、システムエンジニアである。
コンピュータシステムエンジニアではない。

ここんとこのジレンマ、分からない人はSEやめてしまえ。
これを理想論と括るやつは、頼むから僕の仕事の邪魔をしないでくれ。
そんなやつとは、仕事したくない。
分からない客は、ITシステムを発注するな。

4番のように、鬱で出社拒否するバカが出てくるから。

ああ、涙出てきた。
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テーマ : ひとりごと
ジャンル : 心と身体

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非公開コメント

お仕事大変ですね

はじめまして。僕は、SIでもSEでもないのですが一応エンジニアです。
エンジニアという仕事は楽しくやりがいのある反面、心労も大きいですよね。

>2.ネットワークとハードウェアを、ソフトウェアから切り離したがるインフラ屋
>3.きちんと動かないプログラムを見せて、「これは仕様です」と言い張るプログラマー

こんな人いるんですね~。3番は言い訳としてありそうですけど(もちろん許せる言い訳ではありませんが)、2番はもはや何がしたいのやら理解不能ですね。

>ハードウェア屋は、自分の製品に問題が無いことを主張するために。ソフトウェア屋は、自分の作ったプログラムが動かないのは、自分のプログラムが悪いのではなく客の指示が悪いことを主張するために。

これは、自分もなんとなく思い当たる節があるので反省しています。まあ要するに怒られたくないんですよ。人のせいにしたいんです。


さて、IT化の波はいろんなとこに押し寄せていますね。
今思えば、過去には機械(=メカ)を電子(=エレ)に置き換えまくった時期もありました(エンジン制御など)。これにより高速性、省エネ性、高信頼性、長寿命性を得たわけです。
まあこうしてみると往々にしてメカよりもエレのほうが素性がいいようですね。

ということでIT化(電子コンピュータ化)もエレの恩恵をモロに受けられるので殆どの場合、合理化できるんでしょうけどソフトウェアが巨大すぎで開発・管理が非常に複雑であることと、顧客のソフトウェア開発に対する無知から辛い開発現場が生まれてしまうのでしょうかね。ソフトウェアっていうとなんか無茶言っても通るような気がするんですかね~。

とても面白い記事でした。

では、これからも応援しています。
(見当違いのコメントでしたらすいません。)

返信>ぴんくのもわもわさん

ご訪問ありがとうございます。
楽しんでいただけたようで、何よりです。

客が無茶言うのは、売る側に責任があるのだと思っています。
今、ハイブリッドカーが流行っているのは、売る側が、ターゲットを絞り、その良さを宣伝し、きちんとアピールしてきたからですよね。
同じことを、ソフトウェアもやる必要があるのだと思っています。
そのうち、この業界の営業の話もしようと思います。ご期待ください。
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