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今、出来る最善のこと

これは、1年くらい前に、ある人から聞いた話の受け売りである。
そのときは、聞いていていまひとつ腑に落ちない感覚があった。
納得はするのだけれど、それってただのべき論だよね、といった感覚。

1年経った今、ようやく、自分の言葉にすることが出来そうな気がしている。
だから、文章にしてみよう、と思う。




「おまえはベストを尽くしているか?」
1年くらい前、酒を飲みながら、その人は僕に向かって言った。
会社の先輩である。どうってことない、出来れば聞き流しておきたい、飲みながらの説教の類である。

ただ、それを言った先輩は、僕の病気のことも知っているし、頑張りたいのに頑張れない、頑張り過ぎると死んじゃいそうになる状況であったことについても、理解をしてくれている人だった。
しかも、はじめて同じプロジェクトで仕事をし始めた頃だった。
それだけに、少なからず、僕はショックを受けた。
まるで、「オマエの頑張りは足りないから、もっと頑張れ」と言われているようだった。

頑張っているようには見えないかもしれないけれど、僕なりに頑張っているという自負もあった。
頼りにしていた人なだけに、余計にショックが大きかった。
僕を非難しているわけじゃない、一般論として喋っているだけなんだ、ということは、頭では理解できていても、言葉はぐさぐさと胸に突き刺さった。
「ベストを尽くさない奴は、仕事の出来ない奴だ」
「仕事だけじゃない。家庭だってそうだ」
とも言われた。

言っていることは正しいかもしれないけど、それだけじゃないでしょ、という思いがあった。
だから、酒の力を借りて、一応、反論はしてみた。
頑張りたくても頑張れないことがあるということや、何でもかんでもベストを目指すと潰れちゃう、ということを。

具体的にどんなやりとりをしたのか、もう覚えていない。
でも、その人が言ったひと言が、妙にこびりついた。
「どんなときにも、必ずベストな選択がある」




今、僕は、わけのわからない仕事をしている。
自分のやっていることが、何の役に立っているのか、よく分からなくなる。
誰のための仕事なのか、この仕事の目標はどこなのか、そんな基本的なことが分からなくなるような出来事が毎日のように起きる。

もともと精神的に丈夫な人間ではないので、こういう状況には基本的に弱い。
すぐに、へこたれそうになる。
逃げ出したくなる。
でも、当然だけれど、簡単に逃げ出すことは出来ない。
だから、処世術として、自分のやっていることに理由をつけるようになった。
今、自分がやっている行為の言い訳を用意しておくのだ。

言い訳は、自分がとりあえず納得できて、人に説明できるものであれば、何でもいい。
今の自分の仕事に、根拠を作ってしまうのである。
「僕は、これがいちばん良いことだと思ったからやっているのだ」
と思い込んで、仕事をする。

いまの仕事って、要求されている仕事を全部やっていたら、とても身が持たない状況である。
通常の数倍の業務量があり、しかも、昨日やっていたことと今日指示されることが全然逆だったりする。
くそまじめに、上司や客のいいなりになって仕事を全部やっていたら、身体か精神を壊す。
だから、与えられた仕事をしない(できない)場面も出てくる。
でも、そのためには、理由が必要なのだ。

もちろん、自分を納得させるためだけの理由では、どうしようもない。
それを人に納得してもらわなければいけない場面も出てくる。
「今の段階で、この仕事はすべきじゃない」という理由で、相手を納得させる必要が出てくる。

これって、とってつけたような理由では、なかなか通用しない。
人にやれといわれた仕事をやらないための理由である。
力のある理由でないと、相手を納得させられない。
自分が本当に、最善であると思った理由でないと、説得の言葉に力がないのだ。
「いろんな仕事があるなかで、Aという仕事をするためにその他を切り捨てる必要がある」と言い切る力が必要なのだ。
判断を求められる場面で、自分でベストを見つけ出し、説得し、実行する。
あたりまえだけれど、仕事って、その連続である。


あ、
これって、あの人の言っていた「ベストを尽くす」と一緒だ。


なにもしないことがベストなことだって、もちろんある。
鬱がひどいときなんか、そうだ。
ベストな選択は、さっさと病院に行って、診断書を書いてもらい、仕事を放り出して休むことである。

朝起きたとき、どうしても仕事に行けない精神状態になっちゃったとする(実際、よくある)。
そんなとき、会社に行くべきなのか、休むべきなのか。
ベストを尽くす、とは、這ってでも会社に行くのが良いことなのか、思い切って休んでリフレッシュするのが良いことなのか、選択することだ。
会社に行くのが良いと思うのであれば、それが最善の選択だし、休むのが良いと思うのであれば、それが最善なのだ。
いちばんよくないのは、「本当は行くべきなのに、休んでしまう」ことなんだと思う。
あるいは、「本当は休むべきなのに、会社に行ってしまう」ことである。
経験上、あとで必ず、後悔する。

「ベストを尽くす」って、「頑張る」という意味ではないんだ、ということに気付いたとき、はじめてこの考え方が腑に落ちた。
でも、言葉がすこし陳腐だな。
「今、出来る最善のことを選ぶ」といったほうが、しっくりくる。


いくつかの選択肢があるとき、「何が最善か」を考える。
そして、最善と思えるものを、実行していく。
早いものだと1~2秒で、時間をかける必要があるときは、数日かけて、自分の結論を出していく。
そういうトレーニングを、いま、僕はやっている。

もちろん、選択を間違うこともある。
そんなときは、後悔する。仕方がない。間違えちゃったんだけど、そのときはベストチョイスだと思ったのだから。
これを繰り返すことで、次の選択の精度が上がっていく。

「どんなときにも、必ずベストな選択がある」
1年経って、至言だな、と思えるようになった。




デスマーチって、けっこういいでしょ?
ちなみに、1年前に「ベストを尽くせ」と言ったあの先輩、いまでも、一緒に仕事をしています。
ほんとうはこんなこと考えずに、楽しく仕事をしたいんだけどね。
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テーマ : ひとりごと
ジャンル : 心と身体

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非公開コメント

おはようございます。

わかります。、、と、、思います。

その時その時で、
状況に応じて、「今どうすればいいのか」を選ぶ。
休んだり、止めたり、頑張ったり、続けたり、、それは、いろいろ。
自分で考えて、自分で判断して、自分で選んで、自分で受け止める。
たまには、選択を間違えるけど、、
そうしたら、また選びなおせばいい。
それも経験。

そういうことかしら。

できるかな…。

今選択すべき最善のこと…。どうしても「ねばならない思考」にぐるぐるにされていることが多いので、今は休むことが一番なんだ、と思っても、罪悪感があったり頑張れない自分に苛立ったりするので、最善の選択をできているかわからないです。
特にお仕事となるとそうでしょうね。失敗を恐れずに次に確実に生かせるようになれたらすごくいいですね。

返信

>でべそぴよこさん
まとめちゃうと、そういうことなんだと思います。
普通に生活しているときには、普通にこの考え方をしている、と思うんです。
普通じゃないとき、本当はやっちゃいけないんじゃないかと思うことをやっているような時にこそ、この考え方は大切なんだよな、という実感があったので、書いてみた次第です。

>伽羅さん
「ねばならない思考」のときは、確かに難しいかもしれませんね。
何と言っても、「ねばならない」と「がベストである」の違いがよく分からない。
順序としては、「自分が今やっていることに対して、正当な理由をつける」訓練が先なのかな、と思います。
じゃないと、いざ考えて行動するときに、その考えが最善であることの自信が出てこないんです。
あ、でもこれは、僕の場合そうだった、というだけのことですね。
とりあえず僕は、これで頑張ってみようと思います。

こんばんは。
 わたし・・・・ベストを尽くしているかしら・・・・って考えさせられたわ
 たぶん、自分なりに頑張ってはいるけれども
 ベストではないなぁ。
 「今、出来る最善のことを選ぶ」・・・・そうですね
 また物事を違う目線からみてみます

返信>さよちゅうさん

自分なりに頑張っていれば、それでいいと思います。
ベストかベストじゃないかを決めるのは、今の自分しかいないですから。
「今、どうするか」を考えるときに、最善を選ぶ。それが後になって「別の方法もあったなあ」と思うことは、よくあることだし、悪いことじゃないと思います。
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