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労働者派遣について

派遣労働者クビ切り、住居取上げの件について。

ここのところ毎日のように、ニュースにでてくる内容である。
突然クビにしないでくれ、とか、家を追い出すな、とか。

もちろん、派遣労働者大量解雇の話である。

ちょっと疑問に思ったのが、被害者(?)の、以下の発言。
「正社員と同じ仕事をしているのに、どうして我々だけクビになるのか」
「住居まで奪うなんて、ひど過ぎる」

まず、すぐに思ったこと。
  • 1.同じ仕事をしていても、安く雇えるから、派遣労働者じゃないの?
  • 2.逆に、景気が良いときは、好きな職場にすぐ鞍替えできるから、派遣労働者という身分に甘んじていたんじゃないの?
  • 3.住居は、そこで仕事をすることを前提に、その会社が提供していたのだから、追い出されるのは当たり前なんじゃないの?

でも、ここで終わってしまっては、ぼくはぼくでない。
本当に躁なのか、いや、そうなのか、検証する必要がある。

社会問題にもなっていることだし。
しかも、ニュースに登場した被害者(?)を含め、みなさま感情的になっていらっしゃるようなので、ここで何が問題なのか、ちょっと整理をしてみよう。

まず、
  • 1.同じ仕事をしていても、安く雇えるから、派遣労働者じゃないの?
については、調べなくても回答が出せる。
正社員と派遣労働者では、おのずと役割が違う。責任も違う。
会社がその人に望む人物像、将来像も違う。
同じ仕事をしていても、給料が違うのは当然だ。
社会常識である。

次。
  • 2.逆に、景気が良いときは、好きな職場にすぐ鞍替えできるから、派遣労働者という身分に甘んじていたんじゃないの?
は、その背景となる労働者派遣法について調べる必要がありそうだ。
で、調べてみた。


労働者派遣法

1986年に施行。
目的(第1条要約):
  • 就業条件の整備
  • 雇用の安定
  • その他福祉の増進

2004年に改正
改正ポイント:
  • 工場への派遣業務が解禁、というよりも、「派遣を行っても良い業種」を指定する条文から、「派遣を行ってはいけない業種」を指定する条文に変更
  • 派遣期間は最長1年(業種によっては3年)だったものが、最長3年(業種によっては無制限)に変更された
期間延長の場合は、最低3ヶ月のクーリング期間(同一派遣先での同一業務を行わない期間)を設定する必要がある。
派遣期間が有限であるのは、この制度が建前として「正規雇用などへの繋ぎ」ということを謳っているからだ。

そこで、途中で派遣契約を打ち切る場合についてだが、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」の第2-6(4)あたりをよく読めば分かるが、派遣先企業は、派遣元企業に対し、以下のことさえやっておけば、違反ではないのだ。
  • 派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。
  • これができない場合、派遣元に対し、30日前までに契約解除予告をする。
  • さらに、できない場合は、30日分の賃金を払う。
  • また、派遣元事業主と十分に協議した上で適切な善後処理方策を講ずること。
これは、派遣先が、派遣元事業主に対し構ずべき責務であって、派遣労働者に対し構ずべき責務ではない。

また、最長派遣期間の延長(1年から3年へ)については、規制緩和の名の下に、主に経営側の意向が反映されたものである。


というか、このような急激な景気悪化の事態に備えて、すばやい経営判断が、すぐに会社の雇用戦略に反映できるよう、すばやく解雇できる人員を確保しておく、というのが、この法律改正の趣旨なのだ。
だから、厚労省も派遣先も、「違法ではない」という態度になる。
厚労省や派遣先の煮え切らない態度は、ここにある。

「おれは間違っていないのだ」
そう、間違っていないのだ。
通常の正社員を雇ってしまうと、人員整理したいときに出来ない。
だから、非正規雇用することで、人員整理したいときにスピーディーに人員整理できるように、派遣を雇うのだ。
トヨタやキヤノンは、極めて正しい経営判断の元、法律に則って、派遣切りを行っているのだ。

いろいろ調べてみるに、法改正時、そのあたりの議論はほとんどなされていないようである。
法律の本来の趣旨を越え、派遣労働者がずっと派遣労働者であり続けることを容認するという矛盾、ほんとうは正社員として雇用してほしいのにそれを許さぬ制度、それに泣いてきた派遣労働者、という構図が垣間見えてきた。

というわけで、ぼくの疑問
  • 2.逆に、景気が良いときは、好きな職場にすぐ鞍替えできるから、派遣労働者という身分に甘んじていたんじゃないの?
については、視野の狭い、偏見に満ちた見方であった。
ごめんなさい。

派遣労働者諸君。怒りの矛先は、おそらく派遣先企業ではない。

本当の矛先は、この悪法である。
また、この法律をほったらかしにしておいた、現国会である。
(今日もなんだか民主党が変なその場しのぎ的法案を参院で可決したようだし・・・。)
また、現在雇用関係にある、派遣元企業である。
そして、この法改正を強力に後押しした、経団連の前会長と今会長であるところの、奥田氏・御手洗氏である。
・・・・・・あ、トヨタとキヤノンだ。


最後。
  • 3.住居は、そこで仕事をすることを前提に、その会社が提供していたのだから、追い出されるのは当たり前なんじゃないの?
寮については、時間切れ未調査である。
誰か調べて、教えてください。
ただ、おそらく。
「寮」の扱いが、借地借家法における借家扱いなのであれば、貸主の契約終了事前通告期間は、契約終了の6ヶ月以上前にしなきゃいけないハズだ。
寮って、借家なのだろうか?
会社は、借地借家法でいうところの貸主で、派遣従業員は借主なのだろうか。
であれば、「即刻退去」は、完全に違法である。

ふう、疲れた。
そういえば、最近体重計測してないなあ。
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法律が悪い

こんにちは。
editaから来ました。
記事を読ませていただきました。
納得できることが多かったです。
企業にしたら、正社員と派遣ではコスト(給料、保険、年金等々)が全然違いますから、派遣を使いたがるのは当然です。
派遣を可能にした法律に問題があると思います。
少しはドイツを見習ってほしいですね。

Re: 法律が悪い

若武さん、ご訪問ありがとうございます。
ぼくもときどきお邪魔させてもらってます。

ドイツの労働者派遣法について、ぜんぜん知識が無かったもので、すこし調べてみました。
ドイツでは、日本の派遣でよくあるような「登録型派遣」というのは禁止されているんですね。
派遣労働者は、常に、派遣元企業に雇用されている、ということになり、今回の日本のような事態は起きないですね。

でも、そしたら今回の日本のような景気悪化のときに、そのツケはどこに回ってくるのでしょう?
政府レベルで下支えしてくれれば問題ないでしょうが、そうなると、高福祉国家(税金がめちゃ高い国)になるわけですよね。
う~ん、考えは色々と巡ります・・・。
そのあたりをきちっと指し示し、日本という国をどういう方向に持っていきたいのかというビジョンを持った政治家(そんな人ががいれば、ですが)に期待しましょう。

ぼくも、色々考えていきたいですね。
っていうか、好奇心(調査癖)がむくむくと・・・・・・。
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