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音の出ないアンプが、ぼくの心を揺さぶる

今日は土曜日。仕事は休み。
家族で、買い物三昧。

子どものデスクワーク用の机(お絵かきとか、工作とか)が安く手に入らないものかと、リサイクルショップを何軒か回った。
いろいろ並んでいる。
家具、ロッカー、釣具、おもちゃ、時計・・・。


ぼくは、この手の店が、大好きである。
古い電灯、ファミコン、パーティーグッズ。
ぼくの心を捕らえて離さない。

スピーカー、アンプ、CDプレーヤー。
こんなでかいやつで、ブルックナーやワーグナーなんか聞いたら、気持ちいいんだろうな。
こんな貼り紙がついていたりする。
「音が出ません」

んん!!!!???????
そのアンプの値段は、525円。
でも、音が出ない。

一瞬、意識が遠のく。
目くるめく商品。


・・・・・・。
シューリヒトが、ウィーン・フィルハーモニーを指揮する。
曲はもちろん、ブルックナーの交響曲第9番。
ドイツ平原の地中深くから、ライン河を震わせる、魂の叫び。
でも、音が出ない。

バックハウスが、ピアノを弾く。
曲は、ベートーベンのピアノソナタ30番。
軽く、緩やかで、荘厳な響き。
でも、音が出ない。

バーンスタインが、ニューヨーク・フィルハーモニックを指揮する。
曲はもちろん、マーラーの交響曲第3番。
大地から芽が生え、巨木になり、動物が生まれ、苦悩し、神が救う。
でも、音が出ない。

デュトワが、モントリオール交響楽団を指揮する。
曲はもちろん、ラヴェルのダフニスとクロエ。
妖艶で、土俗的な、大地の神と人間の饗宴。
でも、音が出ない。

アルバン・ベルク弦楽四重奏団が、弓を弦を振り乱す。
曲はもちろん、バルトークの弦楽四重奏曲第5番。
奇妙な懐かしさ。宗教的ですらある泥臭さ。
でも、音が出ない。
・・・・・・。


この、音の出ないアンプを、買うべきか、否か。
このアンプは、一体いかなる理由で、525円という値札を付けられ、店頭に並べられているのだ?
おい、答えてくれ。
どうしておまえは、ここにいるのだ?


妻がぼくの腕を掴む。
「なにやってんの、はやく机選ぶの手伝ってよ」
すみません。

結局、机もアンプも、買えなかった。
また明日、妻に連れられ、あの店に行ってみよう。
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テーマ : 今日の出来事
ジャンル : 心と身体

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世の中の出来事や身のまわりのいろいろなことに、興味の向くままに、てれてれと書き綴ります。
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